シンプルな想い
波多野聖さんの「本屋稼業」を読みました。
紀伊國屋書店の創業者、田辺茂一さんと
それを支えた松原治さんの物語。
東京に住んでいたときは、私もお世話になった
新宿の紀伊國屋書店。
自分がほしい本はもちろん、これも読んでみたい!
と思うものが必ず見つかると言っていいくらいの品揃え。
田辺茂一が小さいころ、父と訪れた丸善に感動して
僕は本屋になると決めてからの、山あり谷ありの物語。
僕は本が好きなんだ、本屋の景色が好きなんだ。
「やりたいことをやる。やりたいようにやる。」
このシンプルな想いが、人との出逢いを引き寄せ
自分が幸せな気分になる空間は、
人も幸せな気分になる空間にもなって
一文化を築いたとまで言われる書店を作り上げました。
女道楽で、飲みに行けば何件もはしご。
坊ちゃんで経営のことは何もわからず、さらっと読むと
どうしようもない人に見えるんだけど・・・
とても人を大切にして気遣いもあって、子供のように
無邪気で魅力的な人物。
あと、たくさんあってもなくても、お金は使い方。
それは、かけがえのない人という財産を作っていきました。
読後はちょっぴりしんみりしながらも晴れやかな気持ちに。
旧店舗の紀伊國屋を見てみたかったな。
自分に素直に生きた人の物語。
つい思考が横から入って、シンプルな想いで生きる
って簡単なようで実際は・・なのだけど
こんな気持ちで過ごして行きたいなと思う本でした。
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