城野隆「風狂の空」
サブタイトルは、平賀源内が愛した天才絵師。
エレキテルで知られる本草学者、平賀源内が絵の才能を
見込んだ小田野直武。
杉田玄白の「解体新書」は知っていても、その附図を
直武が描いたことを知る人は少ないでしょう。
私もそのひとりでした。
まだ日本画に陰影や遠近の手法がない時代に
蘭画を参考にそれを習得していこうとした人たちや
失敗も多いながらも発明家・実業家としての側面もある
平賀源内をストーリーと共に興味深く読んだ一冊。
大きな功績もあげながらも、あまり表に出ることなく
政の動きに巻き込まれて日の目を見なかった人物も
少なくないのだろうなと思う。
そんな人たちを、作家さんが作品にしてくれると
フィクションであってもうれしい。
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