茨木のり子「茨木のり子の家」
茨木のり子さんを知ったのは、10年以上前。
知人の素敵な女性が教えてくれた詩「自分の感受性くらい」
時代背景は変われども、今もこころに響く。
痛いところをつかれたと思う人も中にはいるのでは。
厳しくも痛快とさえおもう言葉たち。
なんでもかんでも人のせいにするな
自分に責任を持ってしっかり生きなさい
と凛とした空気感。
かと思えば、本当に惜しげもなくご主人を
愛していたんだなと思える詩も。
そんなはっきりとこちらに伝わってくる
数多くの詩が生まれた茨木さんの詩と家の本。
レトロモダンの素敵な空間。
天童木工のダイニングチェア
スウェーデン製の椅子
ソニーの革ケースつきのラジオ
木の葉もようの摺りガラスに
さりげなく置かれた器や古い配電盤
30代に家を建て亡くなるまで大切にされた
ものと暮らしてきた様子が浮かんできます。
仲間であった谷川俊太郎さんが撮った、眼鏡をかけたり
煙草を燻らせている茨木さんのポートレートが
かっこよくてまた良いのです。
2018年の年末に借りた本の中でいちばん良かった。
茨木さんの本を手元に置いておくならこれにする。
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