丸山正樹「デフ・ヴォイス」
購入した本。
手話を勉強中なので興味があって。
コーダ(Children of Deaf Adults:Coda 両親がろう者で子供は聴こえる子)
である主人公が、あるきっかけで手話通訳士となり、ろう者の
法廷通訳を引き受け、そこからはじまる物語。
美化されたり、お涙ちょうだい的なものではなく、実際にあるだろう
問題が織り交ぜられていて、健聴者には気づかないような
繊細なメンタリティの部分や、さまざまな立場の想いも知ることができました。
手話周辺の基礎知識的なことも知ることができます。
ろう者と、難聴者・中途失聴者との間に横たわる壁。
日本語やそれに対応する日本語手話が理解できない者の苦しみ。
家族の中で自分だけが健聴者、またはろう者であることの孤独感。
「歩み寄り」が大切なときもあるけれど、そんなことは、
きれいごと、にも思えてしまう世界だと理解しました。
同じ聴こえなくても、過ごしてきた環境によってそれぞれ違う。
講座で学ぶ前は、手話に種類があるとは知りませんでした。
日本語を話すとおりに、手話で表現する「日本語対応手話」
日本語を理解するのが難しいろう者が自然に習得していく「日本手話」
日本手話は表現する単語が少ない代わりに、空間や表情を利用します。
表現の文法も英語っぽいイメージです。
この小説を読みおわったら、手話講座で先生だったろう者の方が
「日本手話」を学ぶことを強く勧めたのがすごくわかる気がしました。
いま手話サークルは、おしゃべりしながら手話するので
どうしても「日本語対応手話」になります。単語をもっと覚えて
手話自体を忘れないためなので、充分ありがたくおもっています。
でも、ろう者の方にも伝わる手話も知りたいと思って
DVD付きの「日本手話のしくみ練習帳」というのを見つけ購入。
いまは、この「デフ・ヴォイス」第二弾にあたる小説を読んでいます。
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