辻まこと「山からの絵本」
昨日今日、吹雪。
こんな日に似合う
辻まことさんの画文集。
変わりやすい山の天候の中、当時のスキー板で
山を滑って辿り着く山あいの村。
吹雪という自然の猛威さえも含めた
山のすべてを愛した人なんだろうと思う。
飄々とドライな語りにもかかわらず
それを彼の絵が柔らく包む。
山梨の湖畔に友人たちと作った小屋のことや
行った先の村人との交流、逸話のようなお話
もあるけれど、わたしは山スキーの描写に魅かれる。
たぶん、「死」もちらつかせるほど脅威にもなる
自然を当たり前のように受け入れ楽しめる彼が
羨ましいんだと思う。
わたしは上っ面だなとおもって。
この本は、キラキラに晴れた日よりも
びゅーびゅーごうごうと吹きすさぶ日の夜に
薪ストーブの前でページをめくるのが似合う本。
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